過去ログ - さやか「あたし……もうゾンビなんだよ!」大道克巳「それがどうした!」
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4: ◆mbgGrCikwU[saga]
2012/05/03(木) 14:50:18.29 ID:jHm1eNTk0
「――――疾い!」

 美樹さやかは思わず感嘆の声を上げる。
 しかし使い魔達は自分自身を槍にして大道へと突撃を仕掛ける。
 直撃、黒い革のコートから鮮血が噴き出した。

「大道さん!?」

 まどかが悲鳴をあげる。
 さやかは彼を助けようと構えた。
 だがその瞬間、大道は彼らの方を振り向いてニヤリと笑ったのだ。
 
「この程度で騒ぐなよ」

「え?」

「捕まえる手間が省けたぜ」

 ナイフの刃が結界の中の月明かりを反射して辺りに輝きの残滓を撒き散らす。
 その幻想的な光景に一瞬だけ目がくらむ。
 
「と、まあこんな感じだ」

 汗ひとつかかずに使い魔を倒してみせた大道。
 さやか達が見ることができたのは消滅する寸前の使い魔だけだった。

「お前らと違って俺は魔法を使わずに使い魔を倒せる。
 グリーフシードのことを考えればこれだけでも組む価値はあるだろう?」

 先ほどまで身体にあった筈の傷は影も形もない。
 たった一つ、穴の開いた革のコートだけが今の戦いをを物語っていた。
 まどかはちらりとみえる大道の上半身に恥じらって目を背ける。

「さて、行くぞ、魔女はこの奥だ!」

 先を行く大道に文句を言う者はこんどこそ居なかった。
 三人がしばらく歩くとあたりの情景が単調になり、まるで影絵のような状態に変わっていく。

「……さて、そろそろか」

「そうね」

「え?」

「まどか、下がってて」

「う、うん」

 轟音が響き、地面がせり上がる。
 小高い崖の頂上に、魔女が立っていた。

「行くぞさやか、下準備が有るから俺の合図まで……」

「なんであんたが仕切るのよ!」

「おい、ちょっとまて……!」

 さやかはクラウチングスタートで魔女に向けて駆け出した。
 そんな彼女を後ろから眺めながら大道は腰にベルトを巻き始める。
 カチッ、と音がしてベルトが大道の身体にハマる。



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