過去ログ - River -いつまでも変われないあなたへ-
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26:ちぢれ[sage]
2012/05/04(金) 00:11:57.21 ID:5To1Tuv6P
潤一「わ、わかった。俺はいつも夕方にこの辺をぶらぶらしてるからさ、適当に捕まえてくれよ」

静姫「は、はいっ」

 一変して彼女の表情がにぱっと明るくなる。
 うん、なんだかわかりやすい娘だな。
 ……最初はよく分からない事を言う娘だと思ってたのに、不思議なもんだ。

静姫「あの、よかったら……お名前を教えてくださいませんか」

潤一「え? 大友潤一っていうけど」

静姫「私は立花静姫(しずき)っていいます。……あの、ほんとにありがとうございました」

潤一「立花さんね。……んじゃ、また機会があったら」

静姫「はいっ」

 軽く手を降ってから、俺は立花静姫と名乗った少女と別れて家路に付いた。

 なんだか気になって振り向くと、彼女はまだ俺の方を見ていたらしく、手を振ってきた。
 苦笑いして小さく手を振り返す。
 そうして、また歩き出した。

 すっかり空は朱に染まってしまっている。
 もうすぐ、一日の終わりだ。
 そして明日がやってくる。明後日も、明々後日も。

 それを考えると憂鬱だが、今は不思議と気分が良い自分がいる。

 今日はおもしろい娘と知り合ったな。
 立花静姫、か……。
 しっかし、肝心な事が色々とよく分からないまま別れちまったし……。
 まぁ、ハンカチを返してくれるっていうんだから、また会うこともあるだろう。

 
 その日の夜は、今日出会った少女の事を、ぼんやり考えながら眠りについた。



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