255: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:06:37.55 ID:2ytvna2r0
黒崎「わ、悪い。ちょっと焦りすぎてるな」
さすがにそんな初春の反応を察したのか、ばつが悪そうに一歩退く。
初春「い、いえ……私は刻命さんに何も出来ませんでしたから」
黒崎「飾利ちゃんは悪くないよ。そんな危ない目に遭ったんだし、仕方がないって。とにかく――」
視線を初春から外し、すぐ傍の図工室の入口に向けた。
黒崎「無茶しやがって。刻命の奴、こんなヤバい所でカッコつけてんじゃねぇよ」
やや睨みつけるような目つきで、閉ざされた図工室の引き戸を見詰める。
引き戸の所に歩み寄り、鍵穴のあたりを一瞥する。
黒崎「鍵は開けたんだよな」
初春「はい。でも、そしたら鍵穴から赤い液体が流れてきて……」
黒崎「マジかよ。気持ちわりいな、これ」
鍵穴から幾筋も垂れている赤い液体。
それらは所々で黒く変色していた。
さながら――空気にさらされた血液が酸化して黒く変色して、乾きだしているかのように。
334Res/214.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。