268: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:16:19.60 ID:2ytvna2r0
あの時――美月サンに強制的にやらされた、生徒会室の掃除。
刻命や、島田も付き合わされて、大掛かりにやって。
大方片付いた所で――あのおまじないをやって。
クラスメートの卜部が持ち出してきた、あのおまじない。
『幸せのサチコさん』とかいったか――どこかの有名な女子高生霊能力者が紹介していたみたいだけど。
面白そうだったし、断る理由もなかったから、ノリで輪に加わったのだった。
言われるがままに、紙人形をつまんで、人数分の回数だけ呪文を心の中で唱えて――一気に引きちぎった直後。
いきなり大きな地震が襲ってきたかと思ったら、床が一気に割れて。
気が付いたら――この廃校の中だった。
所々が崩れかかっているだの、悪臭が酷いだの――そんな問題を気にするどころじゃない。
外に通じる窓や、正面玄関の戸が、物をぶつけてもびくともしなくて。
同じような年代の人間の死体が、そこら中に転がっていて。
金槌を持った大男に出くわし、殺されそうになって。
誰もいないのに、いきなり周囲から子供の声が聞こえてきて。
挙句の果てには、鋏を持った児童霊に追い回されて。
この場所が、得体の知れない――それも明らかに殺しに掛かっている奴らが徘徊している――危険な空間というのは、嫌と言うほど思い知らされていたのだった。
だから、目の前の引き戸の向こうにも――そういった奴らが潜んでいることは――想像に難くない。
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