277: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:23:51.35 ID:2ytvna2r0
初春(教室の中もそうですけど……こんな血痕、なかったはずです)
床の上の血痕をじっと見詰めながら、なおも思考をめぐらせていた。
刻命の勢いに押されて教室を出て。
地震に遭遇して。
教室の鍵を開けようとしたら、不可解な現象が起きて。
思わずその場を去ろうとたら、黒崎とぶつかって。
この一連の間で――教室に出入りした者を、初春は一人も見ていない。
黒崎「これ……刻命のじゃねぇよな……」
引き戸の取っ手にべっとりと付いた、赤黒いシミを目にした途端、開けようと伸ばした手の動きを止める。
最悪の想像が正解でないことを祈るかのように、小さくつぶやいていた。
初春(黒崎さんは、この部屋に入るのは初めてのはずですから……)
この部屋の状況が、刻命に追い出されたときと、あまりにかけ離れているということを、黒崎は知らない。
だから引き戸の取っ手にべっとりと付いた血痕が刻命のものではないかと疑ってしまうのもおかしくはない。
つい先程、この教室の中から聞こえた男の悲鳴。
あれは、確かに刻命のものだった。
親友である黒崎も、彼のものだと把握している。
現に、回らない鍵を無理にでも回そうとして、図工室の中に入ろうとしていたのだから、疑いようが無い。
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