29: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/05/14(月) 06:37:52.01 ID:7tHnqN7P0
刻命「時たま、他に監禁された子らしき悲鳴は聞こえるんだ。お兄ちゃんって。僕と同じように、兄妹でこの空間に連れてこられて、離れ離れになったのだろうな」
初春「…………」
半ば愚痴るような感じで話す刻命の言葉に、何も答えられない。
答えようが無かった。
刻命「声のした方向を探してみたが、そこには誰もいない。そしたら、今度は正反対の方向から聞こえるんだ。その方向に向かっても、誰もいない」
初春「違う次元から……聞こえてきた悲鳴なのですね」
刻命「だろうな。というか、君もここがどのような空間か理解できているようだね」
初春「はい、大方は。ここが、異様な力で作られた多重閉鎖空間だとか、ここで亡くなられた犠牲者の霊にいろいろと聞かされましたから」
刻命「そうか……」
歩きながらも、ふと天井を見上げる。
床板と同様、廊下の天井も木張りだった。
そして、所々で朽ちていて、中には崩れ落ちている箇所があるのも同じだった。
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