98: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2012/06/22(金) 22:59:41.23 ID:ca1gTGnY0
初春「あ……」
何かあったのですか、と訊ねようとした。
しかし、声が出ず、ただ口から息の音を漏らすだけ。
どこか話しかけてはいけないというような雰囲気が漂っていた。
当の刻命は、ただ目の前にいると思われる"何か"をじっと見詰めているだけなのだが。
冷え切った――威圧感。
対象はおろか、背後にいる初春までも畏怖させるぐらいの重苦しいオーラを放っていたように思えた。
刻命「……何をしてるんだ」
眉間に皺を寄せながら、しゃがみこむ。
手を伸ばそうとするが――その動きは、途中で止まった。
そして、少し目を見開きながら、じっと目の前にあると思われる"何か"を見詰めている。
初春(多分ですけど……)
少なくとも――幽霊なんかではない。
ここまでの刻命の動きを見ただけだが、はっきりと断言できた。
もし、幽霊ならば"じっと見詰める"という行動はとらないはず。
――あるのは死体と、僕らを殺そうとしている霊魂だけだ。
目の前の同行者は、クラスメートの命を霊によって奪われているのだから。
その場から立ち去るか、少なくとも非常に警戒する素振りを見せるだろう。
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