過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/05(土) 02:06:52.56 ID:PwLoTL370

 青子は小さなため息をつくと、


「実はね。私、唯架からあなたを自由にしてくれ、と頼まれたの……」


 草十郎は顔を上げた。


「唯架さんから?……」


「そうよ、あの人から切実なお願いごとをされたの」


「……」


 と、草十郎が眉をひそめた時、ふいにテレビの音が大きくなった。
 ニュースの時間らしく、アナウンサーの無機的な声が聞こえてくる。
 話はそれからなんの言葉を紡ぐこともなくなった。
 ただ、甘く馨しい紅茶の香りが自分の鼻腔をゆっくりと溶かしていくのだ。


 まだ俺は気付いていなかった。
 そう、ほとんど気がついていなかったのだ。
 事の問題が手遅れになっているそれを知るのには、まだ一ヶ月の時を待たなければならなかったのである。



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