過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/05(土) 19:52:37.68 ID:PwLoTL370


「どうしてですか」


「おまえは、鳶丸が好きだったはずだ。儂は、その好きな男を自殺に追いこめ、と命じた……」


「そんなことは考えたこともなかった……第一、俺は鳶丸を好きだと思ったことはありません」


「ほう、それでは嫌いだったのか」


「実に、頭のいい男でした。少し良すぎた位だ……頭の良すぎる男を好きになるのは難しい。
 かと言って、嫌いになるには交際が短かすぎた……」


 草十郎は自分が必要以上に頑なになっているのを感じていた。
 頑なになって、守らねばならないものなど、なにもないのに。
 土桔 由里彦はしばらく草十郎の顔を見つめていたが、やがてホッとため息をつくと、


「田舎に閉じ込もっていると、世間のことを知るにはこんなものでも読むしかないんじゃが、な……」


 手近に置いてあった汚れた鞄を引き寄せて、その中から一冊の雑誌を取り出した。
 表紙はなかばちぎれかかっていたが、『世界評論』という誌名だけはなんとか読み取れる。



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