過去ログ - 青子「……」有珠「……ひどい」草十郎「……ごめん」
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/10(木) 20:06:41.66 ID:YJemFYN90


(まあいっか)


 どこまでも楽天的な草十郎の部屋の扉向こうでは、さっきからずっと少女たちが言い争いを続けている。
 正確には言い争いですらなく、少女のほうが青子に対して一方的に拒絶している様子だ。
 草十郎は薄目を開けて、まずは少女のほうを見る。
 途端に、血液が逆流しそうな興奮に襲われた。視線が彼女に釘付けになり、離せなくなる。


(うわ……)


 西洋人形のように美しい少女を、草十郎を初めて間近で見た。
 お人形さんのように可愛らしさ、そんなものは実在しないだろうとずっと信じていたのが覆された。
 それは透き通る黒色で、自然の造形物としては不自然なほど美しかった。
 女と呼ぶにはまだまだ若すぎる少女が、草十郎の視線にも気づかず青子に食ってかかっている。
 その眸は、黒曜石を少し薄くしたような黒色だ。


「あいつは事情を説明した後で、ここで監視する」


「ここである必要はないわ」


 青子の主張に、少女は肩を竦めた。


「昨夜の件は私の負けだったから、彼を処遇を青子に一任することは了承したわ
  でも、ここに住まわせることまでは約外よ。私は認めない」


 どれくらい言い争っていたのかは眠っていた草十郎には不明だが、どうやらちょうど今が少女の臨界点だったらしい。
 華奢な手のひらが振り上げられ、青子の頬を叩いた。
 青子と少女では十センチ以上の身長差があるため、少女は彼女の頬を打つのに仰ぐようにしなければならなかった。
 その打擲から逃れることもせず、青子は少女の後ろを指さした。



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