過去ログ - フィアンマ「オッレルスに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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◆H0UG3c6kjA
[saga]
2012/05/21(月) 21:01:26.75 ID:7of5Z8tD0
涙を流したが為に未だ少し潤み、白い部分が僅か赤みがかった瞳を隠す様に瞼を閉じたフィアンマが、静かにオッレルスへ顔を近づけた。
あらかじめこうすると話し合いでも済ませていたかの様に、何の動揺も無くオッレルスは口付けを受け入れた。
幾度もの悪戯をされ、動じなくなったのか、オッレルスは余裕たっぷりな様子で薄く微笑む。
そのまま隣のフィアンマの身体を抱き寄せて、ほんの少し首を動かすと深く口付けた。
自分の胸元に感じる柔らかな、且つ控えめであるフィアンマの胸の感触を何となく認識しながら、キスをするのに鼻は高ければ高いだけ邪魔だな、等といたく呑気な事を考えながら、オッレルスは舌をフィアンマの口内に挿入し、くすぐるようにして蹂躙する。
示し合わせたかのように目を閉じた二人の口内から、或いはその隙間から、水音が響く。静かな部屋にはその音だけが木霊しているかの様で、何か愉快だと思える部分でもあったのか、フィアンマがくすりと笑う。
性交とは方向性の違う、情愛に満ちた優しい手つきで、オッレルスはそっとフィアンマの髪を撫でる。
「ん、…」
「……、…ふ」
慣れないが為に拙い舌使いながらもどうにか自分を満足させようと努力しているらしいフィアンマの姿がたまらなく愛おしく、オッレルスはぼんやりと現状における幸福を再確認する。
どこまでいっても彼…否、現在は彼女と言うべきか。
このキスを交わしている相手との未来は退廃的であり、破綻に満ちている事位解っている。
子供が産まれてきても恐らくロクに育てられない(正確にはまともな教育を施してやれないというべきか)だろうし、もし限界のその時がくれば、施設や教会に預ける場合もあり得るだろう。
もしかしたら今この瞬間堕胎してしまった方が、或いは流産してしまった方が、フィアンマのお腹の子は産まれてくるよりまだマシなのかもしれないとは、思う。
それでも現実的な策を取れない位には、自分はおかしくなってしまったらしい。そもそもおかしかったのかもしれないが。
魔神になり損なったお陰で、人間として大事なものを無くしてしまった上人ならざる者にもなれなかった自分は、中途半端でどこか狂っている。
それでも、まぁ、言い訳をさせてもらえるのならば、今更自分を変えるなどという事は不可能なのだから、どうか赦して欲しい。
唇を離して、目を開ければ唾液の糸がぷつりと途切れるまで眺めてから、フィアンマの肩を撫でる。
華奢な肩だ。強く握りしめたら簡単に脱臼してしまいそうな程(彼女に限ってそれはないだろうが)に。
「好きだよ、フィアンマ。愛しているよ。この世界の誰よりも」
君の為なら誰でも殺せそうだとたった一言素直な心で口に出したら、君はどんな顔をするんだろうか。
きっと失望する。 或いは軽く怯えるか。
もしかすると『自分のせいで狂わせてしまった』等と要らぬ責任を感じさせそうだし、絶対に言わないが。
ぺたりと頬に触れてくる手が、他の誰かに触れるのかと思うと憎らしさで切り落としてしまいたくなる衝動を。
細くて長い脚が、何処か遠くへ逃げ去ってしまう予兆を見せているようで、もぎ取りたくなる苦しみを。
美しい金色の瞳が、俺以外を熱心に捉えると思うだけで憤怒の念が湧きあがりそうになる辛さを。
たった一言素直な心で、口に出したら。君は、どんな顔を。
「愛してるよ、フィアンマ」
「…あぁ」
どす黒い感情を隠しきって、出来る限り優しく優しく笑いかける。
腐敗臭を甘い香水で誤魔化すかの様な無理矢理さで。
どうか、君を怖がらせませんように。
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