過去ログ - フィアンマ「オッレルスに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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◆H0UG3c6kjA
[saga]
2012/05/23(水) 00:29:18.27 ID:nPhB5cQX0
目を覚ますと、隣に居るはずの感触が一人分足りなかった。スカスカだ。
また一人で頑張っているのか、と心配になりつつ立ちあがってキッチンへ向かうと、甘い匂いがした。蜂蜜の様な、練乳の様な。フレンチトーストの匂いだろうか。
キッチンに辿り着くと、苦心しつつフィアンマが調理をしていた。ここまでは予想通り。ただ、予想と違ったのは、彼女がエプロン(青い色の、新妻がよく着るファンシーなデザインのそれ)を着用していたという事位。
「片腕で火を扱うのは危ないだろう」
「俺様は火のエキスパートだ。この位で火傷する程愚かではない」
「怪我はしたみたいだが」
「……、…うまく物を押さえられんのだから、不可抗力だろう」
一本の腕で、片方の腕のみでフランスパンを押さえつけつつ切るのは至難の業だったらしく、フィアンマの左手指先には軽い切り傷が出来ていた。薄皮一枚半程の超軽傷といえど、それなりには痛かっただろう。
焼き作業をじっくりやっているからか暇を持て余しているらしいフィアンマは、遠慮なく俺にもたれかかってくる。そもそも体重が少ない分、どれだけ寄りかかられようと支えるのに際して苦はゼロだが。
「そのエプロンはどうしたんだ?」
「お前が俺様に贈ったものだろう。赤い髪に青は映えるから素敵だ、とか何とか言っていたじゃないか」
「思い出せないな」
「ふん、寝ぼけてるんじゃないか?顔を洗ってこい」
言われるがまま洗面所に移動し、適当に蛇口を捻って冷水で顔を洗う。
幾分かさっぱりした事に加え、眠気もだいぶ醒めた様に思う。
青いエプロンなんて贈った記憶が…いや、数か月前か。確か、そうだったはずだ。
周囲からは早いとも言われたが、短い交際期間ながらもフィアンマにプロポーズし、承諾されて二人暮らしを開始してから一カ月後、調度彼女の誕生日という事もあり、精一杯考えた結果あのエプロンをプレゼントしたのだった。
何ともいえない微妙な表情をされたもので、どうにか着せようと口説いた事を覚えている。とはいっても本心ばかりを口に出していたので、口説いたという印象は俺自身無いのだが。
裸エプロンが見てみたかったな、などと朝から下世話な事を考えつつリビングへ行くと、既に食事の用意は終わっていた。ついでに言うと邪な考えを感じ取りでもしたのか睨まれた。
不快ではないものの、甘ったるい匂いが部屋中に漂う。
「随分と遅かったな。そんなに目が覚めなかったのか。食事を済ませたら二度寝をしてみるのはどうだ」
「いいや、遠慮しておくよ。家事もしないといけないし、何よりせっかく目覚めたのだから、君を見ていたい」
「いつでも見られるだろうに」
「人生何があるかわからないだろう。一分一秒でも長く君と一緒に居たいんだ。出来れば意識のある状態で」
「おかしなヤツだ。…良いから食せ」
照れているのか、ぷい、とそっぽを向く様は可愛らしいとしみじみ思う。
「口の端についてるぞ」
「何処辺りだ」
「…ん、」
「……この位、自分で取れる」
舌でパン屑を舐めとられたのが気に入らなかったらしく、憤慨した様子で頭をはたかれた。ぺしり、と軽い効果音でもつきそうな、優しい一撃。
彼女が本気で怒った場合は『第三の腕』が動く為、俺の『北欧玉座』と拮抗して天災レベルの被害が出る。だから、憤慨しているといってもあくまでそれはポーズだけだ。
どういう経緯でそうなったのかは忘れてしまったが、俺もフィアンマも今は追われる身ではない。勿論だからといって進んで正体を明かしている訳ではないが、少なくとも、外出していて奇襲を受ける事は稀だ。
故に籍を入れる事も、結婚式を挙げる事も『普通』に出来た訳だが。
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