過去ログ - フィアンマ「オッレルスに性的な悪戯をしようと思う。安価が導くままに」
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◆H0UG3c6kjA
[saga]
2012/05/24(木) 17:51:06.23 ID:PeRpmYiZ0
そのはずだった、とフィアンマはそこまで語り、きつく唇を噛んだ。
血が出るのではないかという程に、強く、強く。
人々の善意に傷つき、人々の悪意に憎悪の念を抱き、孤独から孤高へと転身した、世界を揺るがす程の力を持っている、かつてはそれに加え強大過ぎる権力も持ち合わせていた男は、惨めったらしく涙を流していた。
自嘲気味に口元を弛ませ、拳を握りしめる。
誰にもぶつける事の出来ない憎悪や憤怒といった様々な感情の入り混じった激情を無理矢理封じ込めるかの様に。
もっと早く、自分に特別な力があると気付けていたら。
もっと早く、自分の無償の愛は歪んだものだと気付けていたら。
もっと早く、自分は不幸なのだと認識できていたら。
思い込まず、素直な感情のまま泣いたり笑ったり出来ていれば、普通の、もしかしたら幸せな人生を送れたのかもしれない、という悔しさ。
過去を言葉として口にし、静かに語る内に、とめどもなく流れてくる涙を飲み込みながら、八つ当たり気味に、子供が駄々を捏ねるかの様に、喚くような形でフィアンマは口を開く。
怨念の様な、絶対の悪意。今まで誰にも吐き出さず、思い込みの上塗りで我慢していたどす黒い感情。
「お前になど分かるものか。分かってたまるか。目の前で大事なものが壊され、ただ歯噛みしながら見つめているしかない悲しみが。ただ一人、いつもいつも生き残ってしまう哀しみが。渇望すればするほど、何もうまくいかなる辛さが。後が無かった。どんなに言い訳をしてももう赦してはもらえないところまできてようやっと、阻止されて、殴られて、止められて。努力したこと全てが水の泡で。唯一心の拠り所にしていた右手までを切り落とされ、力も大幅に失った。生きる目的そのものを没収された。何人も俺様を完全に理解する事等不可能だ。どうして俺様ばかりがこんなにも『幸運』でなければならない。本当は、ずっと、そう、ずっと前に死んでしまうべきだった。火事で、射殺で、こんな醜い命を絶ってしまうべきだった。産まれてきた事自体が間違いだった、その自覚位はある。オッレルス、俺様を愛してくれ。俺様だけを未来永劫愛し続けてくれ。約束出来ないのなら殺してくれ」
思い出してはいけない部分まで、明確に脳裏に浮かぶ。
蘇る絶望に呑まれるまま敵意と歪んだ愛情を向けるフィアンマの姿を黙したまま見据えながら、オッレルスは口を開き、そして何も言う事無く口を閉じた。
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