9:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/05/08(火) 22:13:11.31 ID:J+4mAWs60
「は、は、はざま……にいさ、ま」
そこで、今までずっと黙っていた
愛寡がどもりながら口を開いた。
何だこいつはと思い、硲は脇の愛寡に視線を落とした。
愛寡から話しかけてきたのは初めてのことだった。
彼女は、いつも硲を避けるようにしていたのだ。
「行く……行って…………
しま、し、しまわれる、ですか?」
左目だけでこちらを見上げた妹に、
硲は戸惑いながら答えた。
「お前には関係ない」
「にいさ、さま……わた、私……助けて、く、くれた……
行く、さ、さびしい。いかない。欲しい……」
一生懸命に言葉を発した愛寡の声を聞いて、硲は口をつぐんだ。
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