39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[saga sage]
2012/05/14(月) 17:17:00.92 ID:NGRuD7KFo
唯「じゃあなんでこんなとこにひとりでいたのさ?」
梓「あつれきが」
唯「あつれき?」
梓「ときどき自分が存在しないように思えるんです。いつもはへいきですけど、ときどき病気みたいに」
唯「それは天国病だ」
梓「なんですか?」
唯「日本ではじめてそれにかかったのは仔犬なんだ。夜になるたび、うわんうわんうわんうわんってさすごい鳴くんだよ」
あまりに吠えるから飼い主さんは獣医さんにその仔犬を連れて行った。
ところが病気は見つからない。現代医学の許容範囲を越えていたんだろう。
そこで獣医さんは考えた。この犬は死ぬのが怖いんじゃないかと。
獣医さんも小さい頃は死ぬのが怖くて毎日泣いてたのを思い出したのだ。
しかし、そんな診断をくだすわけにもいかない。
そこで獣医さんは言った。
「天国病だ。ここ最近見つかった精神病でね」
男は聞いた。
「その病気はどういう病気なんでしょうか?」
獣医さんは答えた。
「君は天国はどんなものだと思う?」
「テーマパークみたいなものでしょうか」
「わたしは小さい頃から巨大なわたあめだと思っていたよ」
梓「はあ。それでどうなったんですか?」
唯「飼い主さんはね、正体不明の病気をかわいそうに思って毎日そばにいてあげたんだ。そしたらいつの間にか犬は鳴くのをやめた。で、ふたりは幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」
梓「それって、仔犬が寂しかっただけじゃないんですか」
唯「それは、犬のみぞ知るってやつだよ」
梓「つまんないです」
唯「ちえー」
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