過去ログ - あやせ「-------------------あなたのことが好きです」
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44: ◆36m41V4qpU[saga sage]
2012/06/13(水) 01:12:55.23 ID:gfJUulNA0

俺は 特に思考せず、 葛藤せず、 逡巡もなく…………

『記憶の囁き』も、 『意識の温もり』も、 『心の残照』も、俺の中で喚起せず

とても――――――――とても、 自然にあやせの肩を抱いて受け止めた。


妹の親友に 今日突然告白されて、雨が降ってきたから雨宿りして、
今はまるで、 愛しい恋人同士みたいに見つめ合って――――――抱き合っている。


一年前、 いや……………告白される直前までだって、
あやせとこんな状況になるなんてことは、 本当に一_も考えてなかった。


けどさ、 結局………………あやせがもう嘘を吐かないと決心しちまったら?
そして そんなあやせを泣かせた自分を許し難いと俺自身が感じてしまったら?

だから………こうなっちまったのが、 それほど不自然な感じがしねぇんだ。



あやせが言った俺が『犯罪者』じゃなくなる………………方法
今みたいにあやせを抱きしめても、 『セクハラ』とか『ブチ殺す』
と言われなくなる関係(まぁ事実……………今も何も言われてねぇけど)



あやせは改めて、 決心した表情で俺を見つめると切りだした。

「―――――――――――お兄さん 
わたし、 わたしね・・・・・・・・」


俺はずっと…………あやせの言葉の続きを待った。
でもいつまで経っても………………あやせの声は聞こえなかった。


  あやせは左手で俺の頬に触れながら、 必死に言葉を探していた。
  
同時に
  
  『あやせは右手でヘアピンに触れながら、 頑なに沈黙を守っていた』



俺も結局、 ずっと黙っていた。

途切れることのない雨音と、 時折轟く雷鳴の響かせる音を聞きながら


今は身体を放さない様に――――――心がここから離れない様に

強く――――――――――強く抱締めて(き)た。




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