過去ログ - 許嫁「末永く宜しくお願い致します!」その5
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253: ◆vF1GrLS8msUg[saga]
2012/06/26(火) 21:03:47.52 ID:IMEehAkAO

あの日以来、男くんは部屋の隅ではなくベッドの傍に座り込むようになっていた。

相変わらず何をするわけでもないけれど、話かけるとほんの少しだけ会話が成り立つようになっていた。
あの日のような事が起こらないよう、テレビはあまり見ないようにした。

でも、それでは会話が続かない。
楽しい番組なら大丈夫だろうと、アニメを一緒に見る事にした。

夢のような秘密の道具がいっぱいの、ドラえもん。

二人でボーっと画面を眺めていると、不意に男くんが呟いた。


 『どこでもドアがあれば、お父さんとお母さんに会いにいけるかな?』


男くんの両親は既に亡くなっている。
男くんも、二人が既に死んでしまった事は理解していたはずだけど。
きっと突然いなくなってしまった家族に会いたかったのだろう。


 『そうだね、きっと会いにいけるよ』


慰めるようにそのような言葉を返すと、男くんは私の方を見て。

この日、男くんはうちに来て初めて、微笑んだ。




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