過去ログ - 許嫁「末永く宜しくお願い致します!」その5
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263: ◆vF1GrLS8msUg[saga]
2012/06/27(水) 21:15:01.28 ID:11Go0j4AO

再びお父さんの休日がやってきた。

最近ではずいぶん身体の調子が良くなり、一日の殆どをベッドから離れて生活することが出来るようになっていた。
病は気から、とは言うが、本当にそうなのかもしれない。
お父さんが仕事で居ない間ひとりぼっちだった私に弟が出来て、二人になった途端に快方へ向かったからだ。

以前から約束していた通り、3人で遊園地に向かう。
やはりお父さんは私の身体を心配して難しそうな顔をしていたが、元気な私の姿を見て安心したようだ。

初めての遊園地で私も興奮していたのだろうか。
普段感じる倦怠感は全く影を潜め、走り回る程の勢いで次から次へと乗り物を乗り継いでいった。

ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーランド。

夢にまで見た楽しい乗り物が、そこにはあった。


 『お姉ちゃん、もう疲れたよぅ……』


 『まだあれ乗ってないじゃない! ほら、行こ!』


興奮した私に付き合うのに疲れたのか、普段とは逆に男くんの方が疲れ果て音を上げていた。

楽しい、とても楽しい。
でもそれは、ただ遊園地に来たからじゃなくて。
男くんと二人、こうやって元気に遊びまわれることが楽しかった。


 『こらこら、乗り物は逃げないから……』


流石に心配になったのか、不安そうにしながらも楽しげなお父さん。

……この日が、お父さんと出かけた最後の日になった。




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