過去ログ - 許嫁「末永く宜しくお願い致します!」その5
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379: ◆vF1GrLS8msUg[saga]
2012/07/03(火) 21:31:57.16 ID:7Q2A+lyAO

冬が終わり、もうじき桜が咲き始める頃。
ついに約束の時は近づき、夢にまで見た男くんとの再会は間近となっていた。

最近、お父様の病状は進み一日の半分を病室で過ごすようになっていた。
そんなお父様を残して行くのは不安だったのだけれど、メイドが任せろと言ってくれたこと、何よりお父様が心からの願いだ、と言って下さった事から、私は男くんとの同棲を選んだ。

今、手元には最後の報告書がある。

これまでの男くんの半生と、今までにない程詳細な周辺情報。
大きいところでは施設や一人暮らしでの生活状況、細かい所では男くんの嗜好や友人関係まで。

何十ページにも渡るそれらの資料を読み、これからの生活に備えるのだ。

ただ、それは単に楽しいだけの作業ではなく。
私の心には、今後の生活への期待と共に、幾ばくかの不安が渦巻いていた。

その原因は、まさにこの手元の報告書。
その中の数ページを占める、男くんの友人関係についてである。

どうやって調べたのかは分からないが、その報告書には細かに男くんの友人関係が洗い出されていた。

まず、施設時代について。

写真でも分かっていた通り、男くんは結局あまり感情を露にしない子のままだった。
ただ、下の子の面倒は良く見ていたそうで、幼い子供たちには慕われていたという。

問題は、以前の資料にもあった同年代の女の子。
一緒に居たのはわずか1年にも満たなかったそうだけれど、唯一その子とは仲良くしていたらしい。

そして、高校時代について。

施設を出て一人暮らしを始めた男くんだが、あまり人付き合いを好としない性格からか友人は少なく、むしろクラスメイトたちに根暗だと疎まれているらしい。

高校における友人は主に二人。
一人は友という男の子。 ただ、男くんとはあまり親密な関係を築いていないようだ。

問題は、女という女友達。
なぜか男くんとは仲が良く、夕飯を一緒に食べたり、共に買い物へ出かける仲なのだという。




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