過去ログ - 安心院「『とある魔術の禁書目録』か」 -SS速報VIP

過去ログ - 安心院「『とある魔術の禁書目録』か」

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115:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 21:57:30.24 ID:bHqkDaoK0
「テメェのその童貞臭い面なんてどうでもいい。さっきの放送の内容、あれは全部本当の事か？」

『当然だ。この僕は生まれてこの方一回も嘘をついたことのないのが自慢だぜ』

　絶対嘘だ、と浜面は思ったが口には出さなかった。

以下略

116:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 21:58:09.45 ID:bHqkDaoK0
『……え』

「よぉぉぉぉくわかった。球磨川っつったか？　テメェの性質の悪い冗談には付き合ってられない、今ここで全身灰にしてやるから豚のように泣きながら許しを請えよクソ野郎」

『う、うぉっ！　ぼ、僕の腕が！』

以下略

117:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 21:59:14.86 ID:bHqkDaoK0

以下略

118:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:02:05.11 ID:bHqkDaoK0
声がした。
　耳元を何か得体の知れない者に撫でまわされたかのように、生理的嫌悪感を感じる声。
　それは、先ほど一片も残さずに消飛んだはずの者の発する声によく似ていた。
　するはずのない声だった。
　奇しくも、今目の前に居るフレンダと同じく、もう二度と聞くはずのない声だ。

以下略

119:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:03:35.48 ID:bHqkDaoK0
「……チャンス？」

『そう、本来なら絶対に手に入らないであろうチャンスだ』

　球磨川はゆっくりと歩き、そしてフレンダの肩に手を置いた。

以下略

120:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:04:14.25 ID:bHqkDaoK0
『フレンダちゃんは殺された』

『惨たらしく、痛ましく、残酷に』

『紛れもない、麦野ちゃん自身の手で』

以下略

121:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:04:47.17 ID:bHqkDaoK0
ゴッ！　と鈍い音がした。
　麦野が何かしたわけではない。

　浜面仕上が球磨川の顔を思いきり殴り飛ばした音だ。

以下略

122:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:06:22.35 ID:bHqkDaoK0
　ビクン！　と麦野の体が大きく震える。
　思わずその場に座り込んでしまう。
　糸に操られているかのようなぎこちない動きで見上げてみれば、そこにはフレンダが満面の笑みを浮かべて立っていた。

「ぁ……あ……」

以下略

123:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:07:17.78 ID:bHqkDaoK0
「最初はまず、私の両手両足の骨を折ったっけ」

「当然動けなくなった私を、麦野は高笑いしながら見下ろしてたってわけよ」

「そして私のお腹を蹴って、誰もいない倉庫に無理やり押し込んだんだよね」

以下略

124:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[sage saga]
2012/05/17(木) 22:08:09.83 ID:bHqkDaoK0
　麦野は自分でも気づかぬ内に泣いていた。
　同じ高さであるにもかかわらず、フレンダは麦野よりも明らかに『下』にいた。
　優位に立つのではなく、下から少しずつ、齧り取るように麦野の心を削るために。
　気づいた時には、もう遅い。
　下から這い寄るその腕は、完全に麦野の心を掌握してしまっている。

以下略

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