過去ログ - 安心院「『とある魔術の禁書目録』か」 -SS速報VIP

過去ログ - 安心院「『とある魔術の禁書目録』か」

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31:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:41:31.28 ID:bHqkDaoK0
　学園都市で最も強力な超能力者よりも。
　たった一人で学園都市を壊滅させかけた『前方』よりも。
　学園都市の最新鋭戦闘機の攻撃すら切り抜けた『左方』よりも。
　圧倒的な力で上条を一度は殺す寸前までいった『後方』よりも。
　イギリス全土を巻き込むクーデタの主犯よりも。

以下略

32:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:42:02.83 ID:bHqkDaoK0
(クソッ、歩くのは難しいな……次追いつかれたらどうなるかわからないぞ)

　上条は無事な右足で跳ねるようにしながら江迎と距離をとる。
　が。
　一般人としてはそれなりに筋肉がある方の上条の手加減抜きの拳を顔に浴びた江迎は何事もなかったかのように立ち上がり、上条に満面の笑みを向けた。

以下略

33:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:43:02.17 ID:bHqkDaoK0
「今のは……まさか……！」

　それは、見覚えのある光。
　バチバチと耳障りな音を立てながら輝く青白い稲光。

以下略

34:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:43:55.91 ID:bHqkDaoK0
「なんですか、あなた。いきなり現れといて相思相愛超運命的フォーエバーおよびトゥルーラブハッピーエンド超絶確定な私と上条くんの中を裂こうっていうんですかぁ？」

「べ、別に嫉妬とかしてるわけじゃあないけど……ていうか、あんたたちまさか本当にそういう関係なわけ？」

　御坂がチラリと上条に視線を向ける。

以下略

35:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:44:49.23 ID:bHqkDaoK0
　超能力開発の最高峰、学園都市において電撃使いという超能力者は比較的メジャーな存在である。
　
　学園都市二百三十万人の頂点とも言える七人のレベル5。
　第三位の御坂美琴は他のレベル5に比べ世間への露出も多く、広告塔的な役割も果たしている。第三位という学園都市の序列でも最上位クラスに居るのも有名な理由かもしれない。
　しかし、御坂美琴の第三位という序列に疑問を抱くものも中には存在する。

以下略

36:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:45:25.80 ID:bHqkDaoK0
「とりあえず――この辺から行きましょうかね」

　美琴がそう呟くと、辺りに変化が訪れる。
　地面が動いている。否、地面から湧き出るかのように、そこら中から黒い何かが浮かび上がり、それが美琴の後方に集まり始めた。

以下略

37:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:45:54.68 ID:bHqkDaoK0
(なんで……？　何で避ける仕草すらみせないの！？)

　江迎はただ笑顔のまま、両手を振り下ろされてくる黒い刃に向けていた。
　まさか。
　まさか、受け止めるつもりだとでもいうのだろうか。

以下略

38:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:47:11.47 ID:bHqkDaoK0
　迸る紫電よりも嫌な音がした。
　上条の足から今なお流れ落ちる血の香りよりも嫌な臭いがした。

　そして、信じられない光景が上条と美琴の目に映った。

以下略

39:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:47:53.87 ID:bHqkDaoK0
「上条くん、見てたぁ？　手で触れた物を腐らせる。これが私の過負荷【マイナス】――『荒廃した腐花』【ラフラフレシア】よぉ」

「……マイナス……？」

　聞いたことのない単語。

以下略

40:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:48:43.64 ID:bHqkDaoK0
　どうせ碌な奴ではないだろうけどね、と美琴は勝手に結論付ける。

(……でも、あの女の能力は厄介ね。あれほどの砂鉄の刃を一瞬で腐らせるなんて……酸化というよりも本当に腐り落ちる感じだった。大気操作系の能力でもなさそうだし……レベル3、もしかしたらレベル4程度の実力はありそうね)

　当然だが、美琴はまだ過負荷という存在を理解していない。

以下略

41:悪平等　 ◆UWn7rE7hmxR/[saga]
2012/05/17(木) 00:50:02.28 ID:bHqkDaoK0
　美琴は手を拳銃に見立て、人差し指をまっすぐ江迎へと向けた。狙いをつけるように片目を瞑り、狙い通りの場所に当てるために微調整をする。

「バチバチバチバチうるさいのねぇ。そんなんじゃ愛する人からも嫌われちゃいますよぉー？」

「そう？　じゃあリクエスト通り静かにしてあげる」

以下略

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