103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/06/02(土) 23:19:01.29 ID:cmlmztc50
「その通りだわい」
道向こうから大声がした。
奥の部屋から、いおりが出てくる。
「あの声は、て、何よ、これ……」
今やこの土間は、
赤だか黒だかしれない色で染まりきっている。
「や、嫌」
言いながら、腰を抜かし、
嗚咽をもらす。
この惨状を見て気を失わないだけ大したものだと真之丞は思った。
「あれが例の商人だな?」
千早太が訊く。
いおりは目を固く閉じて、首を縦に振った。
「どうする?」
「外に出よう」
真之丞は答えた。
大柄な、というより、ずいぶんと太った男が歩いてくる。
派手な商人風である。
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