過去ログ - 真、まことの剣豪
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171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/06/16(土) 22:14:17.06 ID:iK2FkONM0

すると障子が開いて、あずさが部屋へ入ってきた。

お茶を持っている。

これは好機だ、とみきは思った。

すかさず立ち上がって手刀(しゅとう)を当てに行く。

足が床をすべる音、
手刀が空を斬る音が合わさって、
びし、と鳴る。

一瞬の動きのうちに、
みきは動けなくなっていた。

あずさに半歩躱され、
さらに、
頭の上に湯呑みがのっている。

「参りました……」

「動くとこぼれて熱いですよ」
微笑みながら、意地悪く言う。

あずさが左手に持つ盆の上では、
もう一つの湯呑みが静かにのっていた。

一滴もこぼれてはいない。

「参りました!」

そうしてやっと解放された。

へたりとみきは座り込む。

「はい、どうぞ」

お茶が、二人に差し出された。



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