174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/06/16(土) 22:22:54.89 ID:iK2FkONM0
「それにしても綺麗だね」
やよいの帯びる小刀を指して言う。
柄、鞘ともに黒檀色一色で塗られていて、
良く見ると縦に何本か蒼い筋が描かれている。
それが光の当たり具合で藍色から青色へ、黒になったりもする。
下緒は控えめな朱色で良く映えた。
「あずささまからお借りしたの」
「へえ、良いもの持ってるじゃない。
質に入れて行こうか?
きっと大層なお金になるよ」
ふざけてみきは言った。
「そんなことできると思う?」
やよいがじっと見つめてくる。
「嘘だって」
これから二人で、
調べなくてはならないことがたくさんあると思うと少し面倒だが、
楽しみでもあった。
これが一人前になる試験かもしれないと勝手にそう考えた。
日は、もう少しで暮れそうである。
やよいの持つ小刀の蒼い筋がはっきりと見えた。
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