179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/06/16(土) 22:37:09.70 ID:iK2FkONM0
だがこの僧が言う術がどれほどのものなのかについては少し興味のあるやよいだったので、
訊いてみようと声をかけた。
「あの……」
僧侶がこちらを見た。
無言のままなので不気味さが増している。
どうしたのだろう、返事が返ってこないと思っていると、
自分の躰が動かせないことに気がついた。
「躰が、動かせない」
「どうしたのやよい?」
みきは対手から目を離さずに訊く。
「あいつの目を見ては駄目!」
ただならぬ気配を感じ、腰の寸鉄を投げる。
僧は錫杖を地面についた。
こおんと、澄んだ音が境内に響いて、
突き刺さるはずだった黒い筋は動きを止め、
ぽとりと落ちた。
みきは何をされたのか理解できなかった。
焦りを隠せず、懐に隠した二本の棒手裏剣を打った。
残りは腿の付け根に四本とあまりない。
もともと自分は千早太の補佐役で、
さほど戦闘に特化している訳ではない。
それだから武器と呼べるものは、寸鉄と手裏剣のみなのである。
338Res/186.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。