238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 21:03:19.95 ID:jpS9qMgC0
四
調べの対象は、四条院貴音。
といっても、公務ではない。
あずさに頼まれたことだ。
手間賃を多く貰っているが、あそこに近づくのは少し気が引ける。
それでも彼女に言い寄られて、断る方が身の危険だと感じた。
「みき……私は、頭を下げているのです」
思い出すたびにぞっとする微笑みであった。
あれほど優しく、同時に残酷な瞳を覗いたことはなかったからだ。
あの時は、正直に言って、身も心も震えた。
真之丞の母として、とても心配なのです、
あの子のことが……とも言っていた。
頬を伝う涙を見て、みきは頷いたのだった。
とにかく、早い方が良いと思って、町を走る。
双海屋の前を通るのだが、あの姉妹は話し始めると止まらなくなるらしい。
絡まれる前に、さっさと通り過ぎようと考えながら、前を見た。
338Res/186.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。