240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 21:09:33.94 ID:VRw+s2kq0
「定寸の刀を探しておる」
「銘はいかがしましょう」
「無銘でも構わぬ。
造りが良ければ」
「それでは、吟味いたしましょう」
壁にかかっているのは野太刀や直刀ばかりで、
畳みの上に台と一緒に飾られているのは著名な作のものだ。
りつこは、幾つもある箪笥の一つの前に座り、引き出しを開けた。
すい、と軽く音をたてて数本の刀が現れる。
鞘が黒や紅、茶なども見えた。
「紅は伊達だのう」
千早太が呟く。
「紅はお嫌いで?」
振り向いて訊かれた。
その鞘と同じような色の着物から見える白いうなじが艶やかだ。
「そうではないが、余り人目につくのもな」
真之丞が答える。
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