255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/07/08(日) 22:07:39.36 ID:rk+SvYZs0
九
夜。
ただ、暗いのを夜と言うのではない。
人が求める、適度な暗さを、
不快ではなく加工されたその空間を切り取って、そう呼ぶのだ。
人間が触れたくはない、恐る恐る遠くから眺めるそれは、闇。
あずさは起きている。
寝られなかったのではない。
息子が昼間連れ帰ってきた娘。
ひびき、と言った。
大切な人だ、そんな風な言葉を覚えている。
その娘は、先程まで隣で寝ていた。
今はいない。
むくりと起き上がって真之丞の部屋の方に行った。
だから起きたのである。
息子の情事を邪魔するつもりはないが、あの身のこなし、普通の女子ではない。
何度か言葉を交わして、綺麗だと感じた。二つの意味で。
あの部屋で、若い躰が重なり合っていると考えると、心が疼いた。
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