過去ログ - 真、まことの剣豪
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271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/15(日) 20:32:41.45 ID:StkKHyuC0

十一

真之丞は、目が覚める。

覚醒したわけではなく、部屋に射し込む光の眩しさに目を開いた。

眩しいと目を瞑るのに、目覚めの瞬間だけは開くのはなぜだろうか。

むくりと起き上がろうとした。

支えにした左手が、使えないことをその時理解した。

「うう」
と呻いて、昨夜のことを思い出した。

ひびきはいない。

どこにいったのであろうか。

そんな問いが頭に浮かんだ。

「やよい、やよい!」

たたた、と軽い足音が廊下を渡ってくる。

「真之丞様、おはようございます。

お怪我の具合はいかがでしょうか?」

心配そうな顔が覗きこむ。

見たことのない柄の着物を着ている。

昨日買いにいったものであろう。



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