279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/15(日) 21:11:06.79 ID:StkKHyuC0
十四
「あなたが、ひびき」
目を細めて、睨むように見据えながら言っている。
「はい」
と答えるひびきの左手には刃が突き立って、
そこから出る血が、ぼたぼたと床を濡らしてゆく。
「ひびき殿……腕が」
半分の予想外が、ひどく残酷なものであったことに、真之丞は愕然とした。
「真様、私を一生守っていただける約束は、明日からで構いませんので」
堪えているであろう痛みを顔には出さずに話す。
「ふふ、これはあなたに預けます」
刺した小刀から手を離して、貴音が囁いた。
床の血だまりを指ですくって、口に入れる。
唇が、紅を引いたように真っ赤に染まる。
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