過去ログ - 【Fate】みんなでかんがえたサーヴァントで聖杯戦争【皆鯖】
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◆0e.G9BzteE
[saga]
2012/05/29(火) 01:25:17.31 ID:MVtX4+Im0
475 名前:歌月十夜 七夜→パンダ 投稿日:2006/11/12(日) 15:43:27
「───酷いものだ」
ゆらり、と二本足で立ってパンダは言った。
「フツーの暗殺術などデタラメはっきょくけんとかわらぬ、か。
灯油の入っていないストーブのようなものだとは認識していたが
───まさか、ここまで無残とはな」
くるん、とパンダの持つナイフが回転して落ちかける。
パンダにナイフが持てるはずも無く、爪と爪で押さえようと必死だ。
「やはり消えるのは俺かもしれん。だが着ぐるみのまま夢を終えては成仏できん」
パンダは言う。
その意見にはまったく同意だ。いや、ヤツは俺の影になる予定なんだから、
自分をカッコイイとは思わないがさすがにパンダは辛いというのは同感なのか。
「……そうかよ。つまり、俺たちはお互いがこの上なく邪魔ってわけか」
「ああ。おまえ以外の俺がパンダなのは納得いかん」
それは当然だろう。
────故に。
「故に───おまえは、ここで死ね」
────そうお互いが思考した瞬間。
────事は、すべて終わっていた。
パンダが腕を振り上げる。
うそ投擲、とビックリして体が投げられると知ったナイフに備える。
パンダの武器は爪だろう。
パンダがナイフを投げられるのとするなら、俺の勝利はおぼつかない。
────────極彩と
影が告げる。
振りかぶった腕が真横に動く。
必殺の威力を込めようとしたのか、パンダは振るった腕の勢いを
殺しきれず、無様にも背中の七ツ夜という文字をさらしていた。
ぶおん、と大独楽のように反転する着ぐるみ。
シュン、と風を切ってあさってに飛んでいくナイフの光。
「──────」
その軌跡を視認し、飛翔していく凶器はまったくもって意味ないと
判断した時。
ナイフを投擲すると同時に、大きく跳躍したパンダの姿を視認した。
「──────うそ」
それはいかなる曲芸か。
パンダは月夜に舞うように、背中を見せたまま宙に跳んだ。
頭を下に。文字通り、天地を逆さにして宙に返り。
悪夢としか思えまいスピードで、投げたナイフに気を逸らせて
この俺へと肉薄する。
「─────」
気が付いた時には、手詰まりだった。
どつかれれば内臓が飛び出しそうなパンダの迫力。
着ぐるみとは、ナイフが通らない、という事だ。
「─────」
だから、こうなるのは仕方ないこと。
無意識にナイフを奔らせる。しかしナイフは丈夫な着ぐるみに阻まれる。
その、斬撃に体が揺れる瞬間、宙返りしたパンダの爪が
俺の頭を鷲掴みにしていた。
「────────あ」
ずばし、と。頭の骨に爪が、突き刺さる、おと。
─────────散れー
パンダが唄う。
……もともと化け物だったパンダの動きは、
ここにきて奇跡のようにきびきびしていた。
両爪で鷲掴みにした俺の頭を握りつぶし、
そのまま胴体からずるりと引き抜く。
俺は、脊髄を尾のようにだらしなく伸ばしたまま、
パンダの爪の間から自らの体を見た。
パンダはどすんと着地する。
路上には首をなくした人間の体が、未だ自らの死に気が付かぬまま立ち尽くして。
首だけになった俺は、パンダに殺された自らの死に方にあきれ果てた。
───────ここに、殺人鬼はパンダと化した。
意識がうすれゆく少し前。
冗談にしか思えない今の奇跡は、昔、ら○ま1/2と呼ばれた
アニメが元ネタかもしれないと考えていた。
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