過去ログ - 律「うぉっちめん!」
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269:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2012/11/05(月) 23:56:11.48 ID:/rmU2Htl0
 
紬「放課後ティータイムとは袂を分かち、不遇に耐えながらも自らの音楽を追い求める、
  孤高の天才ミュージシャン。それが唯ちゃんの役割……」

梓「なっ……!」

紬「三人になった放課後ティータイムは、日本音楽界のあらゆる記録を塗り替え、名実共に
  史上最高のトップバンドとなった。伝説のバンドとなったのよ。私の筋書き通り……」

梓「唯先輩の人生は……? 私達五人の関係は……?」ワナワナ

紬「大いなる目的の為には、変化や犠牲は付き物よ。一人の例外も無く皆を幸せにしたいなんて、
  子供のわがままか、理想主義者の戯言に過ぎないわ」

遂に梓の瞳から涙がこぼれ落ちた。

梓「そんな…… そんなの、絶対間違ってます…… 喜びも苦しさも五人で分かち合うのが、
  放課後ティータイムだったはずです……! 放課後ティータイムは、私達五人で放課後
  ティータイムじゃなかったんですか!?」ポロポロ

紬「間違ってるのは梓ちゃんの認識よ。放課後ティータイムは誰の物でもない。私達五人の
  物でも、事務所の物でも、レコード会社の物でも、マスコミの物でも。ファンの物ですら
  ないわ」

梓「じゃあ、放課後ティータイムって一体、何なんですか……」

その問いを受け、紬は眉尻を下げて力無く微笑んだ。まるで“困った子ね”とでも言いたげに。

紬「放課後ティータイムは、私にとって……――」

その時、突如として律が立ち上がった。
ダメージが抜け切れておらず、足元が幾分怪しかったが、殺意に燃える眼光を取り戻している。

律「いつまで下らない話を続けてるんだ。私が知りたいのはそんな事じゃない。何故、お前が
  唯を殺したか、だ……!」ダッ

律は拳を振り上げて再度、突進を敢行した。
悲しげに首を左右に振りつつ、紬が迎え撃つ。

紬「心正しき者の歩む道は、心悪しき者の利己と暴虐によって、行く手を阻まれる――」

律の大振りのパンチが虚しく空を切る。
紬は素早く律の側方へ回り込むと、彼女のロールシャッハ・ニットに手を掛けた。ニット帽は
一気に引き下げられ、持ち主の顔面を覆い隠す。
更には、完全に視界を失った律の腕を取り、関節を逆に極めながら、テーブルの上へ投げ飛ばす。
皿やコーヒーカップは激しい音を立てて割れ、律はテーブルの向こう側まで転がっていった。

紬「愛と善意をもって暗黒の谷で弱き者を導く、その者に祝福を――」

ニット帽を直して視界を取り戻した律が、勢いよく立ち上がった。手には鋭く尖る皿の破片が
握られている。

紬「彼こそ兄弟を守り、迷い子たちを救う者なり。私の兄弟を毒し、滅ぼそうとする者に、
  私は怒りに満ちた懲罰をもって大いなる復讐をなす――」

紬の胸に破片を突き立てようとした律であったが、胸へ到達するはるか前に、破片を持つ
手は捕らえられてしまった。
凄まじい力で手首を握られ、破片が床に落ちる。
それと同時に、紬のもう一方の手が律の喉を掴んだ。

紬「私が彼らに復讐をなす時、私が主である事を知るだろう」

紬が喉輪を極めたまま、大外刈りの要領で強引に律の脚を払った。律の身体が一瞬、宙に浮かぶ。
喉を掴んだ手は離さずに、紬は充分過ぎる落差から、律の後頭部を床へ叩きつけた。

律「がっ! かはっ……!」

悶絶する律。それを見下ろす紬。
紬の呼吸や着衣には、少しの乱れも無い。

紬「エゼキエル書25章17節。りっちゃんの質問に対する答えよ……」


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