41:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2012/05/23(水) 00:06:38.70 ID:CDeeqMtn0
唯『だってぇ…… お酒飲んだ方が、よく眠れるんだもん…… ああっ、持ってかないで……!』
憂『睡眠薬はお酒と一緒に飲んだら危険なんだよ。死んじゃう事もあるんだから。それに
気分が落ち込む病気はね、お酒を飲んだらひどくなっちゃう可能性が高いの。お願い、
わかって』
唯『あぁあ…… 冷蔵庫の中が寂しくなっちゃった……』
憂『その代わり、今夜は私が晩ご飯を作るよ。ハンバーグカレー、お姉ちゃん好きでしょ?』
唯『うん……』
憂『じゃあ、テレビでも見ながら、少し待っててね』
唯『うん……』ピッ
『はい、準備が出来たようです。それでは歌って頂きましょう。秋山澪さんで――』ブツッ
唯『やっぱりラジオにしよう……』ザー
『えー、北海道札幌市のラジオネーム、アタックヤングさんからのリクエストですね。
「僕は落ち込んだ時や元気が出ない時には放課後ティータイムの“ふわふわ時間”を聴きます。
平沢唯さんの歌声を聴くといつも力が湧いてきます。僕が物心付く前くらいに流行った曲ですが、
大好きです」という事でね――』
唯『……』
唯『ううっ……』ポロポロ
唯『うぇえええええん!』ポロポロ
憂『どうしたの、お姉ちゃん。悲しくなっちゃったの? 私がここにいるよ』ギュッ
唯『ういぃ、ういいいい! うぇえええええん!』ギューッ
憂『大丈夫。大丈夫だよ』
唯『ぐすっ、ラジオのね、男の子がね、ぐすっ、私の歌を聴いて、元気を出してるって。
じゃあ、ううっ、私は、どうしたらいいの……? ひぐっ、平沢唯は、誰の歌を聴いて、
元気を出せばいいの? うぇえええええん!』ボロボロ
憂『お姉ちゃん……』ギュッ
こんなジョークがある。
ある男が精神科医を訪ねて、こう訴えた。
「私の半生は悲惨の一言だ。もう人生に何の希望も持てないんだ。世間だってひどいものだ。
先の見えない不安定な社会を、たった一人で生き抜く辛さがわかりますか?」
医者はこう答えた。
「簡単な事ですよ。今夜、あの有名なピエロのパリアッチのショーがありますから、行って
きなさい。笑えば気分もよくなりますよ」
突然、男は泣き崩れた。
そして言った。
「でも先生…… 私がパリアッチなんです」
上出来のジョーク。客席は大爆笑の渦。
締めはドラムロール。
そしてカーテン。
火葬炉前は騒然としていた。
職員が台車を押して棺を炉内に運ぼうとしていた際、突如として憂が職員を突き飛ばし、
棺にすがりついたのだ。
母は床へ泣き崩れ、父は職員と共に憂を棺から引き剥がそうとし、親戚達はただオロオロと
慌てふためくばかり。
澪ら三人も、その光景には胸が締めつけられる思いだった。
憂「離して! お姉ちゃんは寝てるだけなの! お姉ちゃん、早く起きてよ! みんな、
困ってるよ!」
父親、火葬場職員二名、そして梓も加わり、必死の力で憂を押さえつける。
それ程までに、今の憂は半狂乱となっていた。
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