90:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2012/07/02(月) 22:37:29.41 ID:LPqSPWEC0
2011年5月初め。いつものレコーディングスタジオ。いつもの五人。いつものティータイム。
私達は、7月22日発売予定の1stアルバム“放課後ティータイム”のミーティングをしている。
プロになってからも、こうしてムギの用意してくれたお茶とお菓子を囲む事になるとは思わなかった。
唯『絶対、“ふわふわ時間”は入れるべきだよ! それも一曲目!』
律『いや、でもさ、シングルの“Cagayake! GIRLS”や他のアルバムナンバーとちょっと
感じが違くないか? 違和感出ちゃうような気がするんだけどな』
澪『うん…… それに、か、歌詞がな…… 今、見ると……』
唯『でもでもっ! 放課後ティータイムを結成したのは今じゃなくて高校生の時でしょ?
あの頃から聴いてくれてる人達の為にも、新しいファンに私達の原点を知って貰うためにも、
やっぱりこの曲は外せないよ』
律『うーん…… 梓はどう思う?』
梓『えっ!? わ、私は、ええと、やっぱりアルバム全体のイメージを考えると、その曲は
無い方が……』アセアセ
唯『そんなぁ〜、あずにゃんまでぇ〜』ギュッ
梓『唯先輩! 抱きつかないで下さい!』
和気藹々とした雰囲気だったけど、この時の唯はいつになく強情だった。
自分を変えた放課後ティータイムというバンドへの思い入れは、高校時代のものも含まれて
いたんだと思う。
ここで、ニコニコ笑っているだけで沈黙を守っていたムギが口を開いた。
紬『私は…… 唯ちゃんに賛成かな』
唯『さっすがムギちゃん! 大好き!』
律『おいおい、ムギ』
紬『こう考えたらいいと思うの。この1stアルバムは私達の新たなスタート。一曲目というよりも、
序章、ううん、エピソード・ゼロという位置付けにしたらどうかな、って。勿論、なるべく
違和感が無いようにアレンジをしてね』
唯『そうそう! それそれ! 私、それが言いたかったんだよ!』
梓『なるほど…… ナンバリングを“0”にするのは洒落てますね』
律『そっかぁ。まあ、アリっちゃアリかな』
紬『澪ちゃんはどう? 作曲は私だけど、作詞したのは澪ちゃん。生みの親としての意見は?』
澪『で、でもさ、その歌詞がさ……』
紬『澪ちゃんの作った歌を、唯ちゃんはこんなにも大事にしてくれてるのよ』
正直、嬉しかった。曲そのものもそうだし、自分の書いた歌詞に唯がこれだけの愛着を持って
くれている。
放課後ティータイムや“ふわふわ時間”を通して、私と唯の繋がりを感じられる。あの頃と
変わらない繋がりを。
澪『……うん、わかった。じゃあ、アルバム構成は唯が好きにやってみてよ』
唯『やったぁ! ありがとう、澪ちゃん! 愛してる!』ダキッ
澪『お、おいおい』ドキドキ
唯『じゃあねぇ〜、No.0が“ふわふわ時間”で、No.1が“Cagayake! GIRLS”、No.2が
“Sunday Siesta”でしょ。それから――』
オモチャを与えられた子供みたいにはしゃぐ唯。
見ているだけで私も幸せな気分になれる。そして、これが放課後ティータイムなんだ。
唯『――最後のNo.11が今月の20日に出す2ndシングルの“Don’t say lazy”で決まり!
あ、“ふわふわ時間”は澪ちゃんのボーカルね!』
澪『それだけは勘弁してくれ!』
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