5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/22(火) 19:05:38.13 ID:7++Ln/UDO
侍従1「それでは、授業の用意が終わり次第すぐにお呼びに参りますので」
侍従たちは一度頭を下げ、姫の部屋から退出していった。
姫「……」
茫然自失。
姫は椅子の背もたれに体を預け、力なくうなだれた。
姫「……はぁ」
知らず、ため息が出た。
姫「私はダンスとか社交会とかよりも、騎術や剣技を磨きたいのに」
昔は良かった。
父王も、周囲の皆も姫の男まさりな考えに理解を示してくれていた。
しかし、今は違う。
少しずつ、姫の考えや個性を矯正しようとしてくる。
それは少し前からの授業の傾向にも見て取れ、そして今日ときたらお見合い強制と出たもんだ。
姫「まるで、私はカゴの中の鳥だな」
周囲を固められ、個性を奪われ、束縛される。
だからといって自由なカゴの外に飛び出た所で、ぬくぬくと温室で育った鳥に待ち受けるのは餓死か敵の牙による死……
──いや、本当にそうか?
ふと、否定の言葉が姫の頭に浮かんだ。
姫「……私には剣がある」
それは姫が今までの人生で築いてきた努力と血と涙の結晶。
絶対の自信だった。
姫「……イケるか?」
ゆえにそれは、途方も無い計画の根拠と成り得てしまった。
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