59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/27(日) 23:34:41.48 ID:2Wa5XMcCo
「いろいろあたしも成長したのかもね」
妹は言った。「あたしって今までお兄ちゃんが大好きで、今までも他の男の子に告白されたこともあったんだけど、いつもお兄ちゃんのことを考えちゃって」
「うん」
妹がブラコン気味だということは妹と知り合う前から副会長に聞いていたので、別にそれは僕にとって驚くほどの情報ではなかった。
「だから、女さんの女神行為を見つけた時は本当にあの人が許せなったし、お兄ちゃんの彼女があんなことをしているなんてもってのほかだと思ってたの」
それは良く理解できる話だった。そして、現に僕はそんな妹のために既に手を打っていたのだから。
「・・・・・・先輩のせいだからね」
その時、妹は微笑みながら涙を浮かべるという複雑な表情を僕に見せた。
「全部先輩のせいなんだから。先輩、責任とってくださいね」
彼女は涙を浮かべつつも幸せそう僕に向かってに微笑んだ。
「責任なんかいくらでも取るさ」
僕は少し驚いて言った。「でも、何が僕の責任なの?」
「これから話すよ。でもその前に一つだけ聞かせて?」
「うん」
「この間、副会長先輩が言ってたこと・・・・・・先輩がお姉ちゃんに振られたって、それ本当なの?」
まずい。僕はそのことをすっかりと忘れていたのだ。妹はあの時僕と幼馴染さんのことを副会長が話しているのを聞いていた。あの時は副会長に責められていた僕を助けようとした妹は幼馴染さんのことを追及しなかったのだけど、普通に考えればそのことを妹が気にしていない方がおかしかった。
僕は迷った。本心で答えるならば僕は幼馴染さんのことは別に好きではなかったと答えればいい。でもその場合は、何で好きでもない幼馴染さんに僕が告白したのかということを説明しなければならない。
本当はそろそろ僕と女のことを妹に告白してもいい頃だったのかもしれない。もう妹の僕に対する愛情には疑いの余地はなかったから、過去の話として僕が女に気持ちを奪われていたことがあったことを告白してもいいのかもしれない。でも、女が妹にとって見知らぬ女性であるならばともかく、女は現在進行形で兄の恋愛の対象らしいのだった。その女に僕までが心を奪われていたことを告白するのは、このタイミングではとてもしづらいことだった。なので、僕はその時まだそこまで割り切れなかったのだ。
「本当だよ。僕は幼馴染さんに告白して振られた。でも、今にして思うと何で僕はそんなことをしたのかわからないんだ」
それは苦しい言い訳だった。
「先輩、お姉ちゃんのどんなところが好きだったの?」
目を伏せた妹が小さく言った。
「いや。多分、キモオタで童貞の僕は焦っていたんだろうと思う。このまま彼女すらできないで高校を卒業すると思っていたところに・・・・・・」
「うん」
妹は僕を責めるでもなく真面目に聞いてくれていた。そのことに僕は胸が痛んだ。
「そんなところに、身近な生徒会で綺麗な幼馴染さんと親しく一緒にいる機会があったから」
「でも今の僕の気持ちはその時とは全然違う。君が僕なんかを好きになってくれたことは今でも信じられえないけど、それでもいい。僕は君を失いたくない」
必死でみっともない姿を晒したことがよかったのだろうか。妹はゆっくりと頷いてくれた。
「あたしとお姉ちゃんとどっちが好き?」
妹はからかうように囁いた。
「君に決まってる」
僕は言った。
766Res/849.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。