60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/27(日) 23:37:21.52 ID:2Wa5XMcCo
「ありがと、先輩」
妹は僕の言い訳を受け入れてくれたようだった。
「あたし先輩とお付き合い初めていろいろわかったことがあるの」
「わかったって・・・・・・何が?」
「うん。人が人を好きになるって理屈じゃないんだって。正直に言うと先輩みたいなタイプの人とお付き合いするなんてあたし、以前は考えてもいなかったし」
先輩みたいな人。僕は妹の愛情に疑いは持っていなかったけど、その言葉の持つ意味にはすぐに気づいた。イケメンでもないしスポーツも苦手。得意なことと言えばパソコン関係くらい。妹のような放っておいてもリア充な男から声をかけられる女の子にふさわしい男とは、僕はとても言えないだろう。
「・・・・・・それは自覚しているよ。僕なんかが君と付き合えるなんて普通じゃないことだって」
そこでまた妹はそれまで浮かべていた優しい微笑を消して僕を睨みつけた。
「またそんなことを言う。何でいつも先輩はあたしに意地悪なこと言うの?」
妹は今にも泣き出しそうな表情で僕を非難するように言った。
「意地悪って・・・・・・正直な気持ちなんだけどな」
「先輩、あたしのこと好きって言ったよね?」
「うん。君のことは誰よりも好きだ」
「だったらもうそういう、自分を卑下するようなことは言わないで」
何か不公平な感じだった。僕みたいなタイプと付き合うなんて考えたこともなかったと最初に言ったのは彼女の方なのに。
「先輩のこと大好き」
不意に再び妹の態度が柔らかくなった。そして彼女は僕に甘えるように寄り添った。僕は自分の肩に彼女の重みを受け止めた。
「先輩も」
「え?」
「先輩も・・・・・・」
「うん。妹のこと大好きだよ」
妹は黙って僕の肩に自分の顔をうずめた。彼女の細い髪が僕の鼻を刺激したため、僕はくしゃみをかみ殺すのに大変だったのだけど。
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