7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/23(水) 23:19:16.97 ID:ekos52i6o
妹が話を終えたせいで、またしばらく僕たちは沈黙した。
やがて妹が再び僕に言った。
「先輩、あたしはっきり返事聞いてない」
「君のことが好きだよ。僕なんかでよければ付き合ってほしい」
僕はもう迷わなかった。例えこれは自分の破滅に至る道だったとしても後悔はしない。
「・・・・・・・うん。これでやっと先輩の彼女なれた」
僕は思わず妹の手を握った。
「ありがとう」僕はようやくそれだけ低い声で口に出すことができた。妹も僕の手を握り返した。
「ありがとうって、何か変なの」
彼女は笑った。そして再び僕たちはどちらからともなくく唇を交わした。そのときふと目をドアの方に向けると、母さんが紅茶とお茶菓子を持って部屋の外に立っていた。
さすがに妹は僕から身を離して赤くなって俯いてしまった。でも母さんはどういうわけか嬉しそうに僕たちに謝った。
「お邪魔しちゃってごめんね。妹さんからお見舞いに頂いたケーキを持って来たのよ。妹さん、お持たせで悪いけど食べていってね」
「はい。ありがとうございます」
さすがの妹も恥かしかったのだろう。母さんの方を見ないでつぶやくように言った。
「じゃあ、ごゆっくり」
母さんはそう言って部屋を出て行った。
「紅茶、どうぞ」
僕はとりあえず妹に勧めた。
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