739:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/28(日) 21:33:27.72 ID:u4iUy+vro
確かに、いつも強気で自信に溢れている次女にしては珍しく慌てていた。
「なあ。あいつさ、本当に何年間も黙って会長のこと想い続けていたのかな」
「黙ってっていうか、付き合ってた男は何人もいたけど・・・・・・でも会長のことがずっと好
きだったのは嘘じゃないと思うよ」
「男が何人もいたか。まあ、確かに次女もそう言ってたけど。男がいながら会長も好きっ
て、ずいぶん軽い恋愛だな」
「あんたにはそう言う資格はないんじゃないかな」
皮肉っぽい口調で姉さんが言った。まあ、昔の俺はそう言われてもしかたなかった。
「それは昔の話だよ。高校生になって姉さんと付き合い出してからは、姉さん一筋なの
に」
「わかってるよ。でもあんたに口に出してそう言ってもらえるとうれしい」
「姉さん」
「ちょっと、人前で肩を抱き寄せるのはやめて。そうじゃなくて、そういう過去をもつ兄
友なら次女の気持ちもちょっとはわかるんじゃないの」
そう言われてみれば姉さんにはそう見えるかもしれない。でも、あの頃の俺と次女とは
違う。以前の自分を擁護する気はないけど、それでもあの頃の自分が今の次女と同じだと
はどうしても思えない。恋は多かったかし泣かした女もたくさんいた。自分では遊びだと
粋がっていたけど、そいつらを本気で好きになった瞬間は確かにあったはずだ。だから姉
さんが言うように次女の行動に共感できるかというと、それはちょっと違う。
会長のことがずっと好きだったというのなら、その間に付き合った男には本気で好意な
んか抱いていなかったということじゃないか。姉さんと付き合うまでは確かに移り気だっ
たけど、それでも付き合っているときは俺がその相手のことを好きになっていたのと違っ
て。
俺はそれを姉さんに話してみた。
「そう言えばそうかもね」
姉さんはあっさりと認めた。「次女ちゃんの元彼たちには悪いけど、あの子は移り気と
いうよりはずっと会長一筋だったのね」
「まあ、一筋と言うのはちょっと違うと思う。他の男と付き合った時点で。一番好きなの
が会長だっていうのは確かなのかもしれないけどさ」
「ふふ」
姉さんは意味ありげに笑った。
「何だよ」
「そういう意味では妹友は今だに誰とも付き合おうとしないよね。何年間もあんたのこと
を眺めているだけで」
「よせよ」
「ごめん。でも妹友みたいなのを一筋って言うのね」
もうその話は聞きたくない。いつまでもそのままにしておくわけにはいかないことはわ
かっていたけど。
「まあ、そういわけで昨日は大遅刻したんだよ」
「今日さ。一緒にお昼食べない?」
姉さんが突然話を変えた。
「いいけど。学校じゃべたべたしないんじゃなかったの」
「昨日すっぽかしちゃったんでお詫びにお弁当作ってきたの。今日のお昼、どこかで一緒
に食べようよ」
「いいの?」
「それくらいはいいよ。遅刻させたお詫びもしたいしさ」
何だか今日はいい日になりそうだった。
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