過去ログ - 女神・2
1- 20
749:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/04(土) 23:14:28.72 ID:3WBNpidgo

 生徒会室のドアを開けるとき、俺は少しためらった。ここに姉さんがいないことはわか
っている。姉さんは保健室で妹友と一緒なのだし。俺には姉さんと幼馴染以外の役員に知
り合いなんかいない。このドアを開けるのはいいけど、見知らぬ役員に他校の制服を着た
次女と二人で彼らにどんな態度をとったらいいのだろう。たいていのことには対人耐性が
できている俺にだって、いったいどう対処すればいいのかよくわからない。でもここまで
次女を案内しておいて回れ右をするわけにもいかないので、俺は覚悟を決めてそのドアに
手をかけた。

 意外なことに姉さんが俺たちの方を見た。

「あ、兄友・・・・・・って、何であんたがいるのよ」

 姉さんは俺の顔を見て少し明るい表情になってくれたのだけど、すぐに隣にいる次女に
気がついた。後半は次女に向けられた言葉のようだった。

「別に」
 次女が言った。「お姉ちゃんこそ、何で保健室で妹友に付き添っていないの? 同じ学
校なのにずいぶん冷たいじゃん」

 おまえがそれを言うか。さっきまで妹友のことなんか心配することもなく、会長に会う
ことだけに必死になっていたくせに。

「姉さん、妹友は?」

 俺は呆れたように次女を見つめている姉さんに聞いた。

「これから担任の先生が車で病院に送っていくって。保健の先生の話だと単純な貧血みた
いだけど、念のためってことで」

「姉さんは付き添わなくていいの?」

「もちろん、一緒に行くよ。ちょっと荷物を取りに来ただけだよ」

「俺も一緒に行こうか」

 姉さんは少しだけ厳しい顔で俺の方を見た。

「いいよ。あんたがいたって邪魔なだけだし」

 次女の前で、俺に甘えるわけにはいかないのはわかっていたとは言え、それはずいぶん
と連れない言葉だった。俺は姉さんのその口調に少しだけ傷付いた。

「そんなことはいいんだけどさ。生徒会長はどこにいるのよ」

 次女が全く妹友のことなんか気にせずに言った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
766Res/849.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice