8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/23(水) 23:24:52.68 ID:ekos52i6o
ここまで幸せな展開になるとは思わなかった僕だけど、それでも心のどこかには例え妹が本当に僕のことを好きになったのだとしても、それは女と兄君関係の作戦の同志としての感情から始った恋だという考えは拭いきれなかった。もちろんそれでも僕は充分満足だった。きっかけはどうあれ、妹の僕への気持ちが陽性転移でなければ僕はきっかけがどうであろうとその結果には満足していた。
でも、この恋のきっかけとなった女関連の作戦は僕のせいでまだ始ってすらいなかった。僕はもう迷いを捨てて妹のために全身全霊でこのミッションをやり遂げる覚悟ができていた。それで、僕は今日くらいは作戦のことは忘れて妹とお互いに抱いている恋愛感情について甘いやりとりを
したいという気持ちもあったのだけど、無理にそれを抑えて作戦の話をしようとした。それが妹の望むことでもあったのだから。
「それでさ、明日のことなんだけど」
「うん」
いつも活発な彼女らしからぬ大人しい声。
「明日、女さんと兄くんの担任の先生に捨てアドからメールしよう。最初は大人しい方の女神スレの過去ログ、ミント速報のやつだけどそのURLを匿名で先生に知らせよう」
どういうわけか妹は黙ってしまった。
「妹・・・・・・? どうかした」
妹はあからさまに不機嫌そうに僕を見上げた。いったい僕の何が悪かったのだろう。僕は妹の希望通りの言葉を口にしただけなのに。
「先輩、あたしたちって今付き合い出したんだよね」
「う、うん」
「何でこういう時にそんな話をするの? そういうのは明日学校ですればいいじゃない」
妹は可愛らしく僕を睨んだ。
「今はもっと違うお話を先輩としたかったのに」
不意に僕の胸が息もできいくらい締め付けられた。でもそれは僕がこれまで経験のないほど幸せな甘い息苦しさだった。
「・・・・・・もう一回好きって言って?」
妹は僕の方を見上げて言った。
「大好きだよ」
今度は僕の本心だった。妹はようやく機嫌を直したように笑ってくれた。
「あたしも先輩が大好き」
妹が僕に抱きついてきた。僕たちは再び抱き合って唇を重ねた。
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