84:62 ◆6sOGwos0tc[saga]
2012/05/31(木) 19:54:28.55 ID:H/SWMSSm0
―社長室―
「ああ話は聞いてるよ。これはNASAも協力している国家プロジェクトに関わる話だ。政府から直々に招待状が送られて
来たよ。いくら私でも国には逆らえない。是非行ってきてくれたまえ」
ホクホク顔の高木社長。これ以上の事務所の宣伝はないだろう。そして貴音は日本人の民間人第一号に選ばれたらしい。
月面着陸にあたりアメリカで10日間程度の研修とトレーニングが必要だそうだが、知識の豊富な貴音なら問題ないだろう。
「ありがとうございます高木殿。月面着陸はわたくしの長年の夢でした。人類の為に全力を尽くして参ります」
なんだか壮大な話になってきたな。ただの体験ツアーじゃないのか?
「正直三週間も抜けられたら痛いけど、まあこのツアー自体が仕事みたいなもんだしね。こっちは私達に任せて頑張って
きなさい」
律子が笑顔で送り出す。てっきり反対すると思っていたのだが意外だな。
「ここで頑張らないでいつ頑張るんですか。幸い大きいライブの予定もありませんし大丈夫でしょう。だから
プロデューサー殿、貴音を頼みましたよ」
おう任せとけっ!!………なんだって?
「キミィ、ツアーの概要をよく読みたまえ。ここに『ペア』って書いてあるだろう?だからしっかり四条君をサポート
するんだよ」
「ロマンチックですね宇宙旅行なんて〜。乙女心が騒ぎます〜」
ウソだろ?俺も行くのかよ!熱海に温泉旅行じゃねえんだから、政府も軽々しくペアのツアーなんて企画してんじゃ
ねえよ!それから音無さん、そのセリフは10年くらいおそry
「あなた様はわたくしと月に行くのが嫌なのですか………」
「キミィ………」
「プロデューサー………」
「10年が何ですって………?」
涙目の貴音と睨みつける社長達に抵抗出来ず、俺はお手上げのポーズをとった。わかりましたよ行きますよ。でも俺まで
抜けて大丈夫なんですか?宇宙から戻ってきたら事務所が無くなってるとか勘弁して下さいよ。
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