過去ログ - 騎士「私のために剣を作れ」 鍛冶屋「いやだ」
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[saga]
2012/05/26(土) 01:52:25.79 ID:YtfmjzCH0


―――国境 交戦予定地



斥候「報告します。 魔物の群れは当方に対して横並びに広く分散し、現在も進行している模様です」

隊長「好都合だ。 敵一体一体の能力はそれ程でもない。 我が軍は最小単位を二人一組とし、これを殲滅する」

騎士「私は?」

隊長「お前は元々遊撃兼斬り込み隊を任せているんだ。 鍛冶屋に作ってもらったその剣、存分に振るってこい」

騎士「言われずとも、全ての魔物を屠るつもりで戦場を駆けてきましょう」

隊長「期待している。 しかし、一つだけ心に留めておけ」

騎士「?」

隊長「恐らくこの戦い、お前自身ですら知らなかった自分の戦い方を、初めて目の当たりにすることになるだろう。 お前は強い。 それはお前の剣が手に入った事で揺るぎないものとなった。 長年にわたって抑制された心に、しっかりと楔を打っておけ」

騎士「はい」

隊長「怪物と闘う者は、自分が怪物にならないように気をつけなければいけないんだ。 深淵を覗くならば、深淵もまた等しくお前を見返すという格言があるくらいだからな」

騎士「確かに、私ですら知らなかった全力を初めて向ける機会です。 本能の赴くままに敵を倒し、己を見失う可能性を示唆されてもしかたがありません」

隊長「・・・・・・」

騎士「しかし、私は彼に誓いました。 己の欲に振り回されないように、この剣を振るうと」

隊長「そうか。 ならば安心だ」

騎士「ただ・・・・・・」

隊長「ただ?」

騎士「自分ですら知らない全力を今回出すと思うと、逆にセーブのしどころが掴めるかどうか・・・・・・」

隊長「その心配はいらん。 友軍にさえとばっちりがこなければ、好きにやればいい」

斥候「敵、稜線より顔を出しました!」

隊長「よし!! 全軍、目の前の敵を迎え撃て!!」

騎士「切り込み隊! 突撃!!」


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