過去ログ - 騎士「私のために剣を作れ」 鍛冶屋「いやだ」
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62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[saga]
2012/05/26(土) 22:56:15.30 ID:4SaEVxBB0


―――砦 食料庫



   鍛冶屋が大穴を明けてからそれほど間を置かずして、キマイラが堂々と食料庫に姿を現す。

   待ち構えているのは、鍛冶屋だけだった。

鍛冶屋「来たかいニャンコロ。 生憎だがここには人間様の食料以外は置いてないんだ。 残念だったな」

キマイラ「グルゥゥ!!」

鍛冶屋「それとも、遊び相手がほしかったのか? けど、それも無駄足に終わったな。 小突く程度にじゃれあうには、お前はちょっと強すぎる」

鍛冶屋「ここいらで幕引きとしようぜ? そうすれば、砦の修繕費には目を瞑ってくれるように俺から頼んでやるよ」

キマイラ「ガァウ!!」

―――キマイラの毒蛇であるしっぽが、鍛冶屋の頭をかすめる!!

鍛冶屋「っと!? へ、やる気満々か。 まったく、魔王がいなくなったってのに、血の気の多い奴がいるのは、人間も魔物もかわんねぇな」

鍛冶屋「まぁ、“あっち”はまだ美人だから可愛気がある。 だがお前は・・・・・・何だそのしかめっ面は。 少し白粉を顔に塗ったほうがいいな!!」

―――鍛冶屋は金槌の先で小麦粉の袋を引っ掛け、キマイラに向けて放り投げた!!

キマイラ「グルゥゥゥっ!!」

鍛冶屋「お、白磁の肌になったじゃねぇか。 似合ってるぜ!!」

キマイラ「ガァァウ!! ガァァァァ!!」

―――キマイラは目に小麦粉が入ったのか、縦横無尽に暴れまわり、食料庫内の全てをバラバラにし、積まれていた小麦粉、その他多くの食料が宙に舞う!! 

鍛冶屋「あ〜あ、これじゃあ俺も庇いきれねぇよ。 もったいねぇな。 何人分が駄目になったんだ?」

―――キマイラの鋭い眼光が鍛冶屋を捉える!!

鍛冶屋「キマイラさんよ。 俺はきっと、生のままより焼いた方が美味いぞ!!」

―――キマイラの口の中が、紅蓮に染まっていく!!






鍛冶屋「お前は不味そうだけどな」





―――食料庫には、場に似つかわしくない粉雪が舞っている。

   鍛冶屋が投げつけ、キマイラが散々暴れて舞に舞った小麦粉だ。

   その一欠片が、小さく煌めいた!!

   瞬間――――――っ!!


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