過去ログ - 騎士「私のために剣を作れ」 鍛冶屋「いやだ」
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97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[saga]
2012/05/29(火) 01:27:45.39 ID:pG/d+txm0

その日の夜。 僕は父上の私室に呼ばれ、淡々と兄さんが死んだことを伝えられた。

他人事のように、何かの間違いだと虚しく口が動く。

どこで? どうやって? どうして?

王家の者が、そう簡単に死ぬのか? なぜ兄だけが死んだのか?

頭の中には溢れかえる程の疑問が次から次へと湧き上がってくる。

しかし、心の底では、その事実を吐き気を催すほど冷徹に受け止める自分がいた。



兄さんは、あの羊皮紙に書かれていた通りに、父上に選ばれ、殺されたんだ。 



・・・・・・僕はあの羊皮紙の内容を、兄さんに語らなかった。



僕は、死にたくなかった。
 
・・・・・・死にたく、なかった。

すっと黙って、自分だけ、父上に選ばれるように、死に物狂いで努力し続けた。




だから、兄さんは、自分が殺したようなものだ。

・・・・・・ようなものだ?

・・・・・・違う。

僕が、兄さんを殺したんだ。






後日、自分の編んだ組紐が巻かれた腕だけが、山岳地帯で発見された。





葬儀は内々的に、参列者もなく行われた。

その後、城内の者には兄さんに関する情報、会話などは禁忌とされ、まるで存在自体が封印されたかのようだった。

それからの事は、正直あまり詳しく覚えていない・・・・・・。

娘が兄さんのことを聞いてきた気もする・・・・・・。

自分は肉体、精神共に疲弊し診療してもらったのは覚えている・・・・・・。

あとは、ひたすらに勉学の日々だった・・・・・・。

文字と政で、頭の中を満たしていった。

全てを、忘れるように。

忘れ去りたいかの様に。




ただ、後になって知った事といえば・・・・・・。




城外の国民は、王子が兄弟だった事実を、誰一人として知らなかったということだ。

民は知らないのだ。 現王子に、仲の良かった双子の兄がいたことなど・・・・・・。


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