144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:34:36.76 ID:eyYF10Mro
「頼まれたんですよ。話がしたいから機会を作ってくれないかって」
「でも、お前はタカヤとは知り合いでもなんでもなかったんだろ?」
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:35:52.37 ID:eyYF10Mro
「先輩の方はどうなの?」
と俺は訊ねる。幼馴染が「何が?」と言いたげに首を少しだけかしげた。
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:36:01.14 ID:eyYF10Mro
「まぁ、先輩の方の気持ちがどうなのかっていう問題もあるけどな」
「どう、なんでしょうねえ。あの人からそういう話、聞いたことないです」
147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:36:31.31 ID:eyYF10Mro
「またこんなふうに一緒に帰る機会があるなんて、思いませんでしたね」
幼馴染が言った。俺は頷く。
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:37:05.19 ID:eyYF10Mro
幼馴染が不意に立ち止まった。俺はどうしたのだろうと振り返る。
彼女は一瞬目を丸くしてから、くすくすと笑い始めた。
「家、通り過ぎてますよ」
149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:37:31.90 ID:eyYF10Mro
来た道を戻りながら、俺は中学二年だった頃を思い出した。
俺が陸上部に所属していたときの頃。別段熱心な部員だったわけでもなく、特別な成績を残したわけでもない部員だった頃。
走ることや体を動かすことは昔から好きだったし、小学校時代は多少の自信もあった。
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:38:04.93 ID:eyYF10Mro
その頃から周囲と上手に溶け込めている気がしなくなった。みんなの輪からはみ出している気分になった。
幼馴染と距離が出来始めたのもその頃だろう。
俺は陸上部をやめて帰宅部になった。
151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/30(水) 14:38:52.52 ID:eyYF10Mro
気付くともう一度家を通り過ぎていた。俺はまた折り返して家に帰る。
リビングでは妹がコタツに寝転がっていた。俺はなんだか憂鬱な気分で自室に戻る。
ベッドに寝転がると身体がずきずきと痛んだ。部屋はひどく寒くて、俺は制服のまま毛布にくるまる。
152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/30(水) 14:39:46.93 ID:eyYF10Mro
つづく
153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/05/30(水) 15:45:21.27 ID:eHEKcNK8o
乙!
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