197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/02(土) 13:31:55.27 ID:QvK0WMpCo
どうして、と俺は「みー」に訊ねた。彼女はどうして平気そうにしているのだろう?
彼女は、それまで俺と話さなかったのが嘘だったように、すらすらと言葉を並べ始めた。
「別に、いいんです。薄々気づいてました。わたしは視界に入ってないんだろうなって」
「好きだったの?」
俺は無神経を承知で訊ねた。彼女は一拍おいて、答えた。
「――はい。でも、わたしなんかじゃ相手にされないって分かってましたから。
仕方ないんです。わたしがうじうじいつまでも悩んでたから、みんなに手間をかけてしまって」
いつまでも? と俺は思う。別にそんなに長い時間じゃなかった。むしろ「これから」というタイミングだった。
そのタイミングで予定外のことが起こってしまっただけだ。どうして彼女はこんなに自分を卑下するんだろう。
もちろんそんなことは口に出して言えない。表面上はともかく、彼女は傷ついているのだろう、たぶん。
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。