233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:41:01.22 ID:zLN0eH15o
タカヤとしては、先輩と会い続ける口実がほしい。
けれどそのためには幼馴染がいる必要がある。
あくまでも先輩は、幼馴染の知り合いとしてタカヤに協力しているからだ。
234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:41:30.13 ID:zLN0eH15o
「いやだ!」
と俺は答えた。タカヤは目を丸くした。
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:41:56.61 ID:zLN0eH15o
「やっぱり先輩のことが好きなの?」
俺は聞いた。彼は気まずげに腕を組む。
236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:42:23.27 ID:zLN0eH15o
「でも、お前のおかげで助かったよ」
「なにが?」
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:42:56.66 ID:zLN0eH15o
昼休みに幼馴染が教室にやってきて、俺を呼んだ。
一緒に話していたモスとタカヤはなんだなんだと遠巻きにこちらを見る。
俺は彼女の笑顔に、なんとなく不穏なものを感じた。
238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:43:34.54 ID:zLN0eH15o
中庭につく。天気は薄曇りだったので、外は肌寒い。
「なんのつもり?」
239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:44:08.21 ID:zLN0eH15o
「悔しいって、どういうこと?」
「何もできませんでした」
240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:44:48.93 ID:zLN0eH15o
「こないだはすっかり反省した様子だったのに、まだ何か企もうと言うわけ?」
俺は訊ねた。微妙に呆れてもいた。これ以上俺たちが誰に何をできるっていうんだ。
そもそも俺たちの方向性は最初から揺らいでいた。何を目指していたのか分からない。
241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:45:15.40 ID:zLN0eH15o
俺が黙ったままでいると、幼馴染は言葉を繋いだ。
「きみだってそうなんじゃないですか?」
242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:46:27.30 ID:zLN0eH15o
少し考え込む。思いつくフラストレーション。ないではない。でも、だからといって、それをどうこうしようという気分にはなれない。
「世の中の大半の感情は、ひょっとしたら『一時の気の迷い』なのかもしれないね」
243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/04(月) 15:46:53.31 ID:zLN0eH15o
とにかく、と彼女は言う。
「わたしは取り戻すのです。そのために努力を重ねるのです」
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。