493:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/15(金) 17:22:39.81 ID:5bdoEDiwo
「お前が本当のところ、何を欲しがってるのかはしらない」
彼の話が続く。俺は頭を抱えたい気分だった。
「でも、お前はそれが手に入らないから、いらないもんをとっかえひっかえしてるわけだ」
別に欲しくもないくせに手を伸ばして、本当に欲しいものは手に入らないからと掴もうともしない。
けれど完全には諦めきれなくて、やっぱり代わりのものじゃ満足できなくて、結局手に入ったものも捨ててしまう。
『ああ、やっぱりこれでも駄目か』と。
どうしてこいつは、こんなに俺のことを見抜いているんだろう。
「お前がどんなふうに生きようとお前の勝手だけど」
と、彼は言う。
「お前は間違いなく、またアキのような人間を生むぞ。お前は今のままじゃずっと誰かを傷つけ続ける」
俺は俯く。茶髪は疲れ切ったように溜め息をついた。
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