509:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:43:21.61 ID:lYp+dXcSo
「何があった」
と担任の高田は言った。奇妙な顔だった。怒っているようにも困っているようにも見える。
生徒指導室のそっけない机に向かって、俺と茶髪は並んで座っている。
その向こうには三人の教師。俺の担任、茶髪の担任、学年主任。
俺は答えなかった。
「なんとか言わないか」
言ってどうなると言うのだ。窓ガラスが直るのか。もちろん、彼だってそんなことを期待してはいないだろう。
でも、言ってどうなる問題ではないのだ。こんなものは。
「黙ってたら分からない」
当たり前だ。分からせようとしてない。伝えようとしていないんだから、伝わらないのは当たり前だ。
口を動かそうとすると頬が痛む。横目で茶髪を見ると、視線だけを机に落としていた。
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